ゆかいなかぞくたち
概要
ここはギゼリエ。ファニリシアの中でも
一際静かな町である。
そのギゼリエのはずれ、人気がない薄暗い場所で、
一人の少年が暮らしていた。
彼の名前は長夜。呪いのビデオを見て
息の根が止まったかと思うと、
すぐさま目を覚まし、何事もなかったかのように
別の呪いのビデオを見る。
キャアアァァァァアアア……
長夜「……」
金切り声のようなものは、彼の携帯の着信音。

長夜の母「ああよかった!ちゃんと笑えてる?」

長夜の父「勉強なんて心の腐ることをしないで
お前の好きなことをするんだぞ!」

長夜の姉「ひさしぶりにロケット花火でもして
大笑いしよーよ!」

長夜の弟「もっと笑って~にっこり!
幸せになるよ!!!」

長夜「花火よりも電気椅子の方がもっと面白いから
やってみな」
と言うと返答を待たずに速攻で電話を切った。
長夜「……チッ」
長夜はだるそうに姿勢をだらけさせながら、
とある知り合いからもらったお土産のミミズ団子を
食べる。
今は別居している長夜の家族。
長夜の家族はどの家庭よりも笑いの絶えない、
明るく賑やかで一際愉快だった。
毎日のようにパーティーをし、
毎日のようにバカ騒ぎをし、
町中でのトラブルなど日常茶飯事であった。
長夜はそんな家族が大嫌いだった。