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あたしメアリー

青年は見知らぬ土地で目を覚ました。
どうやら倒れて気を失っていたらしい。
うつ伏せ状態で、視界に真っ先に入ったのが土や草であった。

???「……ここ、は?」

青年は立ち上がって辺りを見渡す。
だが、想像を絶する光景が見えた。

家や施設のようなものがない。
舗装された道などもない。
熱帯にありそうな木や草がそこら中に生い茂っている。
奥を見ても、険しそうな山ばかり。
少し空を見ると、鳥……にしては体の大きい、
恐竜みたいな動物が飛び回っている。
加えて、太陽の光を中心に空が黄色く光っている。
その光に当たり、ここ全体が黄色い霧で覆われているかのようだった。

???「どぉも!!!」

???「うわぁっ!!!」

突然目の前に現れた金髪(にしては現実離れしたはっきりした黄色だが)
の少女に青年は驚き尻餅をついてしまった。

メアリー「急にごめんね!あたしメアリー!
きみのなまえは!?」

メアリーは青年の腕を引っ張り立たせ、
明るい調子で話しかけた。

田中「自分は田中、ですけど……」

メアリー「おーよろしくー!田中ーー!
またねーーー!」

そう言ってメアリーは
ずんずんとどこかへ向かって歩いて行ってしまう。

田中「あ……おいっ
メアリー!!!

メアリーの足が止まる。

田中「ここはどこなんだよ!?
そもそも日本なのかよ!どこか海外に
行ってしまったのか自分は……っ!」

メアリー「そう!」

メアリーは振り返って手を広げる。

メアリー「ここは、ファニリシア
夢と魔法にみちた世界だよ!!!」

田中「……」

メアリー「……」

メアリー「あー、ここはサハアヴェンだよ!」

田中「『そういえば』みたいなノリで言われても
分かんないから」